装具療法について
骨折や関節の病気など、運動器疾患を治療する整形外科では装具を用いた治療を行います。
装具(Orthosis)とは
装具とは、障害された身体の部分を外部から支えて関節の動きを制限したり保護することで、変形の矯正、関節運動の補助、疼痛の軽減などを獲得する医療用具です。腰や首などの脊椎、上腕から手までの上肢、大腿骨から足までの下肢、それぞれの関節障害に対して適応となる装具があります。
手関節や肘関節に装着するする装具を上肢装具、膝関節や足に装着する装具を下肢装具、腰、背中、首に装着する装具を体幹(脊椎)装具と呼びます。成長期の側弯症に対する変形矯正装具など使用することが治療そのものとなるもの、骨折やアキレス腱断裂などのリハビリのために一時的に使用するもの、変形性膝関節症に対するインソール治療など下肢全体のバランスを整えることで歩く能力を向上する装具があります。
医師が疾患に合わせた装具を義肢装具士(国家資格)に依頼することで、ひとりひとりに合った装具を作成いたします。装具外来は火曜日14: 00~17:00、完全予約制となっております。装具療法をご希望の場合はいつでもご気軽にご相談ください。
※注意※
義肢装具士が作成するすべての装具は保険適応です。適応疾患でお困りの方でしたら1割から3割の自己負担で装具の作成が可能です。まず装具費用全額を装具業者に一旦お支払いただきます。装具業者の領収書と医師意見書(証明書)を合わせて各保険窓口へご提出いただくと、装具費用の一部(7-9割程度)を還付請求することができます。
作成の流れ(例)
- 医師が装具作成を指示
- 装具外来 義肢装具士による採型
- 1週間後以降に完成、装着開始
装具療法の適応疾患(例)
- 骨粗鬆症性椎体骨折(胸椎腰椎圧迫骨折):硬性脊椎装具、ダーメンコルセット、ジュエット型装具
- 特発性側弯症:側弯矯正装具(胸腰椎硬性装具)
- 変形性膝関節症によるO脚(内反膝):足底板(外側楔状インソール)、膝サポーター
- 母指CM関節症:CM関節保護用の固定装具
- 骨折、アキレス腱断裂:免荷装具、アキレス腱装具
- 橈骨神経麻痺による下垂手:コックアップ装具
- 外反母趾・扁平足:外反母趾装具、足底板(インソール)
- 脳梗塞後麻痺:短下肢装具(シューホーンブレース)
- 四肢欠損:義肢、義手、義足 (義手、義指は健康保険の適用外)