せたがや岡田整形外科は 認可を受けた 難病(特定疾患)治療医療機関です。難病疾患とされる整形外科領域の病気につきましても厚労省の認定を受けた難病指定医が診察いたします。
難病指定医は、新規および更新用の臨床調査個人票(診断書)を作成することができます。
特定疾患をお持ちの方は以下の医療費の助成が得られます。(①医療費の自己負担3割→2割、②所得状況に基づき自己負担上限額が設定され、医療費が上限額を超えた自己負担額を助成。)
難病疾患とは
整形外科領域でにおける難病疾患には以下の疾患があります。せたがや岡田整形外科では以下のような疾患の治療に対応しています。
脊柱靱帯骨化症 (後縦靭帯骨化症、黄色靭帯骨化症)
首や腰など、背骨は身体を支える要(かなめ)であるとともに、前後屈や回旋などの脊椎の運動を担っています。この滑らかな運動を得るため、後縦靭帯や黄色靱帯などの脊柱靭帯が背骨を縦方向に連結しています。この脊柱靱帯が骨化および肥厚する疾患が脊柱靱帯骨化症です。小さい骨化では臨床症状は出ません(後縦靭帯骨化)が、だんだん骨化が大きくなることで脊髄や神経組織が圧迫を受け、しびれや脱力などの神経症状をきたしていると後縦靭帯骨化症と診断されます。
頚椎後縦靭帯骨化症は中年以降の男性に多くみられることが知られていますが、脊椎の中の頚椎、胸椎、腰椎などの高位によって好発する性別や年齢が異なります。中でも頚椎に発症する後縦靭帯骨化症、胸椎に発症する黄色靱帯骨化症が患者さんに多くみられます。頚椎に靱帯骨化症ができると頚髄の圧迫を受けるために後頚部の疼痛、手指のしびれや手指の動きがぎこちなくなる(巧緻運動障害)、転びやすくなるなど歩行障害がみられることがあります。また、胸椎や腰椎で発症した場合は、帯状痛といって体幹部のしびれが出たり、脚のしびれや脱力のために歩行障害が出ることがあります。
現在のところ発症の原因についてはまだ明らかとなっていないために、薬剤による治療が確立しておりません。骨化の程度を単純X線やMRIで画像的に経過観察を行い、臨床症状が進行していかないかどうかを外来受診の際に確認します。ひとたび神経症状が出現した場合には、改善することが困難なため多くは手術が必要になります。とくに症状が進行性の場合や脊髄症状が出現している場合には椎弓形成術や、脊椎固定術などの手術治療が必要となります。
広範囲脊柱管狭窄症
背骨は中に体の中心を支える要であるとともに、脊髄や馬尾神経などの神経組織を内包しています。これらの神経組織は靱帯の中でとても大切な組織ですので、背骨によりしっかりと守られております。この頭から骨盤にかけて縦方向にスペースがあり、これを脊柱管と言います。これが何らかの原因で狭くなることで、手のしびれや下肢のしびれがでて歩行困難になることがあります。広範囲脊柱管狭窄症は頚椎、胸椎、腰椎のいずれか2つ以上の部位で脊柱管狭小による神経症状がでて、日常生活動に支障がでている場合に診断をされます。腰椎のみ、頚椎のみの場合には広範囲ではないために難病医療費助成の適応とはなりません。
原因はいまだに特定されていませんが、加齢による椎間板や背骨の変性、後方を支える黄色靭帯が厚くなることにより脊柱管狭窄が徐々に進行すると考えられています。また、脊柱管径(背骨中の神経の通る管の大きさ)が生まれつき狭い方も症状が発生しやすいといわれています。
症状は狭窄をきたしている部分の神経の症状が出ます。頚椎の場合には、上腕から手へのしびれ、箸を使用しにくい、階段などの歩行障害、頻尿などの症状があります。胸椎の場合には体幹部の帯状痛や下肢の脱力、脚が突っ張るような痙性麻痺がみられます。腰椎の場合には、坐骨神経痛と呼ばれるおしりから脚への放散するしびれや疼痛、脚の筋力低下脱力感、間欠跛行(10-30分以上長く歩くと脚にしびれや痛みが出て、休憩が必要になる歩行)が出ることがあります。
治療は、リハビリテーションによる筋力維持やストレッチングを行うとともに鎮痛剤の内服や神経障害背疼痛治療薬による内服治療を行います。保存治療でも改善が見られない場合には手術を選択します。特に頚髄症による歩行障害や間欠跛行が10分未満となった場合には手術適応です。除圧術(椎弓切除術や椎弓形成術 圧迫された神経を取り除く手術)や脊椎固定術が行われます。